効率のいい分子生物学系論文の検索方法 【完全手順書】

大学・薬学・京大



こんにちは、てまごんです!

大学4回生~博士課程1年生前期まで、生物学系の研究室に所属していました。


所属したばかりの4回生の頃、論文の探し方について迷走していたのを覚えています。笑

わざわざ誰も教えてくれないことだし、調べても出てこないので、悩みがちなポイントではないでしょうか。

そこで今回は「科学論文の検索方法」について、効率のいい手順をまとめてみました!


自分の研究テーマに関する重要な論文だけを読みたい!
「論文読め」って言われても、何をどこまで読めばいいのかわからない・・・

そんなお悩みを抱えている学生さんに、参考にしていただきたい内容になっておりますm(_ _)m


効率のいい科学論文の検索方法

手順は、下記のとおりです。

①まずはテーマについての理解を深める
②アラート機能を使って、未来の論文を攻略
③自分の研究テーマについて重要な大きな論文を1本読む
④引用先をだどり、過去の論文を攻略していく


順番に解説していきますね。


①まずはテーマについての理解を深める



いきなり論文検索するよりも、まずは自分の研究テーマについて一通り理解することをオススメします。

要は、

・自分は何を知っているのか
・自分は何を知らないのか
・自分はこれから何を知るべきか

を把握するのです。

そうすると、「効率のいい論文検索」のベースができあがります。


把握すべきは、下記のようなことです。

・テーマの発端になっている仮説は何か?
・先輩から引き継いだデータを裏付ける証拠は何か?
・テーマについての研究を進めるうえで重要な実験手法について



テーマの発端になっている仮説は何か?

研究テーマが生じるということは、

・テーマの元になる仮説を提唱した論文
・テーマの元になるデータが載った論文

があるはずです。

自分のテーマの「原点」を、あなたは理解できているでしょうか?

答えが「No」なら、それを調べる必要があります。


先輩から引き継いだデータを強化する論文は何か?

研究は、1つのラボでは完了できないことが多いです。自分のラボで出た結果と、他の研究室が出した論文データを組み合わせて論理立てていくことがほとんどです。

先輩から引き継いで研究を行う場合、先輩が出した実験データがあると思います。

そのデータを「論理的に強くする」論文も把握しておきましょう。


つまり、

我々の研究室ではこのようなデータが出ました。この(他の研究室の人が出した)論文の結果と組み合わせて考えると、~~ということが言えます。

という論理を導くことが重要です。

繰り返しになりますが、「先輩から引き継いだデータを強化する論文」も把握しておきましょう。


テーマについての研究を進めるうえで重要な実験手法について

自分の行う実験は、

・どのような現象を利用しているか?
・どのような機械を使うのか?
・どの論文で提唱された手法か?

ということを把握しておきたいですね。

ラボのプロトコルから発展して、原著論文で深く理解しておくことが望ましいです。


②アラート機能を使って、未来の論文を攻略



「アラート機能」とは、自分の設定したキーワードに関連する論文をメールで知らせてくれる機能です。

ラボに入ったら早めに設定しておきましょう。

よく使われる論文検索サイト「PubMed」での設定方法は、下記のサイトに紹介されていましたので、引用させていただきます。

九州大学 付属図書館


アラート機能設定の際の注意点

注意点は、下記の2つです。

・具体的なキーワードを複数設定すべし
・遺伝子名に注意



具体的なキーワードを複数設定すべし

例えば単に「blood pressure」だけだと、膨大な量のメーが送られてきてしまいます。

「血圧」に関する論文なんて、山のようにありますからね^^;

メールも論文も処理しきれなくなる恐れがあるので、一般的すぎるキーワードは避けた方がいいと思います。

「blood pressure circadian brain」など、出来るだけ絞り込んだキーワードを、何個も登録しておく方が良いでしょう。



遺伝子名に注意

ある1つの遺伝子が、名前を複数個もっている場合があります。

なぜなら、遺伝子名は時代や分野によって変わることがあるからです。

遺伝子名は全て調べて登録しておきましょう。

漏れがあると、のちのち調べるのが面倒くさくなります。


③自分の研究テーマについて重要な大きな論文を1本読む



アラート機能を設定したら、自力で辿っていくのは「アラート機能を設定する前」の論文だけでよくなります。

まずは、できるだけ新しくて大きな関連論文を探しましょう。

Nature、Cell、Science、もしくはそれらの姉妹誌レベルが望ましいです。


具体的な探し方は下記のとおりです。

1.「Web of Science」のページからキーワード検索
2.新しい順に並べて大きな論文を探すor引用数の多い順に並べて新しめの論文を探す
3.タイトルを見て、自分のテーマに近そうな論文のabstract(要約)を読んでみる
4.abstractを読んでなんか違うな、と思ったら探し直す


これを繰り返すだけです。


1本見つかったら、それをがんばって読破しましょう。

Google翻訳やWeblio辞書に頼ってもいいです。

但し、最終的にできた文章は自分の目で確認し、日本語がおかしくないかどうかチェックする必要があります。


④引用先をだどり、過去の論文を攻略していく



過去の論文の探し方は、2パターンに分かれます。

・③で読破した論文の「前」に出た論文を探る
・③で読破した論文の「後」に出た論文を探る



③で読破した論文の「前」に出た論文を探る

③のステップで読破した論文の中には、1つくらいは自分の探している情報を表現した文章があると思います。

その文章に引用番号が振ってあったらチャンスです。チェックしておきましょう。

論文のうしろには、引用文献一覧があります。

その中から、チェックした論文を検索していきます。

こうすると、関連論文を効率よく振り返っていくことができます。


③で読破した論文の「後」に出た論文を探る

逆に、見つけた1本の論文「を引用している」文献も見つけることができます。

やり方は簡単です。

【1】PubMedを開く
【2】③で読破した論文のページに行く
【3】右サイドの「Cited by ~~ PubMed Central articles」の欄を見る
【4】その論文一覧の中から、関連度の高そうなものを選んで読む


これだけで、③で読破した論文の「後」に出た論文を追っていくことができます。


論文を効率よく探そう



「効率のいい科学論文の検索方法」の解説は以上になります。

上記の方法さえ取っていれば、自分の研究テーマに関連する論文はじゅうぶん把握できると思います。


ちなみに、論文を読むペースは1週間に1本を目指しましょう。

週1本で読んでいれば、1年間で50本弱は読めると思います。

研究室生活が3年間あるとすれば、100本強は読めます。

これだけ読めば、いざ卒論や発表会の場で「勉強不足」で怒られることはありません。

最初は慣れないでしょうが、だんだん読むスピードは速くなってきますよ。がんばってください!


それでは、最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m